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雨の人

第1章 突然の電話

ハキハキとした
喋り方

悪い人ではなさそうだけど…



「あ、すみません
時間、大丈夫でしたか?

強引に、話続けて
すみませんでした。


今日はこの辺で・・・



電話切ります。」





「あ、はい。」





「あの…


また


電話しても
いいですか?」





少し迷ったけど

私の家の場所も
知っているであろう
川村さんを

冷たくあしらう
勇気のない私は




「はい。」




と、返事をしてしまった。




その返事に、川村さんは
飛び上がるように
喜んでいる様子で

何度も、私に「ありがとう」
と言って、電話を切った。




なんだか



悪い気は、しなかった。






電話があった翌日から、
私はちょっとソワソワしていた。


あの人…私を通勤途中に
見かけるって言ってたよね…





私は普通のOL、21歳。
勤務先までは、車で15分程度。

その15分間、
対向車が気になって仕方がない。




川村さんが、車に乗っているとは
限らないのに……

何やってんだろ、私。




気になりながらも

対向車の運転手と、
目が合うというような事もなく

川村さんから
電話がかかってくる
ということもない

そんな日々が過ぎていった







電話

かけてこないじゃん。




まぁ……いいけど。




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