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雨の人

第6章 キスの先にあるもの

俺は、ゆきの腰を抱き寄せ
深く深く
長いキスをした


「ん……んっ…」


って、苦しそうな
ゆきの声が聞こえる


その声が聞こえると
俺は尚更
キスを深くしてしまった


唇を離すと
息の上がったゆきは
恥ずかしそうな顔をして
俺の胸に顔を埋めた


息を整えたゆきは

「ケーキ・・・

一緒に食べよ?」

と、小さな声でつぶやいた



ゆきの髪を撫でながら



「あぁ、一緒に食べような。

フォーク一本だけ
持っておいで」


と、優しく伝えた


俺はケーキより
ゆきがよかったけど
仕方ないよな(苦笑)



それから
一本のフォークで
ホールケーキを
ダイレクトにすくった


俺は、ゆきに食べさせ
ゆきは、俺に食べさせた


くちびるの端に

わざとクリームが付くように

俺はゆきに食べさせ

ゆきの唇についたクリームを

何度も舐めとった




俺は、ケーキを食べる時

わざとクリームを唇に付け

ゆきに

そのクリームを

舐めてもらった






くすぐったいよ、ゆき…





今まで食べたケーキの中で

一番甘い

ケーキだった







幸せだ……


なんかコワイくらい

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