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雨の人

第1章 突然の電話

「あ、そーなんだ・・・

お休みが合わなくて
さみしいね。」




「そう・・ですね。」




「彼は、平日がお休みなの?

土日はゆきさん、
デートできないの?」



「あの…えーっと…


私、遠距離恋愛なんです。


だから、あまりデートは
できないんです」




あ~・・・
また、ウソついちゃた




「そうなんだ…

でも、離れてても
付き合ってるってすごいね。


じゃあ…



僕が土日に電話しても
話せる確率高い…かな?


彼氏に悪いけど…


ごめんね

でも
正直、僕はうれしいから…


あ~、変な事言って
すみません」




「あ、いいえ。

でも、あの…

夜は…夜はあまり
長電話できないので…」




「あっ、そうだよね。

夜は彼氏と話するんだね

うん、わかりました。
僕は、夜は電話しません。

絶対に」




「す、すみません」



夜は家族がいるから
電話しずらかっただけで

そんな理由じゃ
なかったんだけど…


益々、ウソが大きく
なってきてしまった



「いや、ゆきさんが
悪い訳じゃないから
あやまらないで。

電話は僕のわがままだから…


あ、ちょっと
話しすぎましたね

そろそろ切ります。

また…



かけるね?」





「あ、はい」




「良かったぁ!


じゃあ、ゆきさん……



バイバイ」






「はい、さようなら


川村さん」






「あっ!はい!

じゃあバイバイ!」




時折

うれしくなると
敬語ではなく
フレンドリーな会話に
なってしまう
川村さんが

なんだか、微笑ましかった





川村さん…



どんな人なんだろう…


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