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雨の人

第8章 ゆきの浴衣

膝枕をしてもらったあと

二人で少しだけお酒を飲んだ




ゆきは

顔が熱くなったのか

何度も頬を両手で冷やすような

仕草をしている



「ゆき、暑いの?」



「うん、顔だけ、
なんか…

赤いから恥ずかしいの」



「ゆきは、何でも
恥ずかしいんだな。

恥ずかしいから、
家族風呂のことも
知らんぷりしてたんだろ?」



「あっ

…うん…」



言わないつもりだったのに

ちょっとだけ

意地悪したくなってしまった




敷かれた布団の上で

ゆきを抱き寄せ

ゆきの耳に

顔を近づけた




「いいよ、気にしなくて。

今度来た時は、
一緒に入ろっ、な?ゆき」




そう言って

ゆきの返事を聞かないまま

俺は

ゆきにキスをした




少し酔ったゆきは

なんの抵抗もしない




目はずっと

閉じたまま




そんなゆきの

帯に手をかけると

ゆきは

ギュッと俺の浴衣を

つかんだ



んっ…って
声が聞こえたけど



俺は更に深いキスをして

帯をほどく手も
やめなかった




はだけた浴衣から

俺は手を入れ

ゆきの肌に触れる




その瞬間

ゆきは、

俺にすがりつくように

抱きついた




燃えてきた




ゆき…



ちょっと…




いろんなこと

しても・・・いい?


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