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雨の人

第9章 飲み会とアイツ

だいたい

ゆきから
飲み会の途中で電話があった時から
おかしいと思ってたんだ


俺の事

川村さんって呼んでたし


ゆきは、平常心でない時
川村さんって呼ぶことが多いんだ
本人は、気づいてないみたいだけど



早めに家を出て
ゆきが飲み会をしている
店の駐車場で時間を潰した


やっと、ゆきから
電話がかかってきた。


いつもなら
ゆきが来るのを待っているんだけど
色々と気になって
待ってられなかった俺は
車を降りて歩き出した。


店の玄関の方に目をやると

ゆきが誰かと話をしている




アイツだ



俺は走りたい気持ちを
必死に抑えながら
ゆきのもとへと歩いた



アイツは、背も高くてかっこいい。

いつもスーツを着ているからかな…


俺は……



はっきり言ってモテナイタイプだ。



だから、なんだか
気になって仕方ない。

ゆきを信じてるけど
とにかくアイツは目障りなんだ。



ゆきが振り向き
俺の名前を呼び
小走りで駆け寄ってきた。


俺はゆきを見ていたけど

その向こうのアイツが

ジッと俺を見ているのを感じた。



俺は、車の中から
アイツを見たことがある。

でもアイツが俺を見るのは

初めてのはずだ。

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