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雨の人

第10章 嫉妬

「………アイツ…殺す!」






俺は、近くの公園の駐車場に
車を停めた


「藤田さん、勝手に
食べちゃったから…」


「あ~!!ムカつくな~!
なんで、アイツが
俺の可愛いゆきちゃんの
手料理食うんだよ~
ほんと、ムカつく!」


「ごめんなさい、川村さん…」


あ~…ゆきが悪い訳じゃないのに
ゆき、困ってるじゃんか
何やってんだ、俺
嫌いなアイツのせいで
俺たちが
ケンカしてどーすんだよ…


「ゆきが謝らなくていーんだよ?
謝らなきゃいけないのは
藤田のヤローだろ?(笑)」


「うん…でも…」


「怒ってないよ、ゆき。
妬いてるだけだ。な?
それより…ゆき
ちゃんと俺に話してくれて
ありがとな。
アイツの事で、困った事があったら
何でも話すって約束だったろ?」


「うん。私、内緒にしないよ」


「それなら、いーんだ。
あ、そうだ、ゆき
明日の金曜日、俺、飲み会なんだ…」


「そうなの?珍しいね。
じゃあ…土曜日はお休み?」


「そーなんだよ…
土曜日休みだからさ
飲み会なかったら
ゆきちゃんと金曜日の夜から
遊べたのにな~…」


普段、日曜日しか休みのない俺には
貴重な土曜日の休日なんだ。


「私、お迎え行ってあげようか?
この前、あきひろくん
私の飲み会、迎えに来てくれたし…
そのまま……ゆき……
お泊りしてもいいし……」


「え?!いーの?!
わ~明日仕事頑張れる~!
超うれしい。
みんなに超自慢してやる!
ゆき、サンキュッ。
じゃ、今日は遅くならないうちに
帰ろうな。」


「うん。」


「あ、ゆき、明日の弁当な~に?」


「サンドイッチだよ。」


「サンドイッチ~?
あ~、早く食いて~!」


「(笑)そんなに喜んでくれて…
ありがと。」


「うれしいんだから
仕方ないよ(笑)
ゆき…キスしてもいいか?」


「どうして、そんなこと聞くの?」


「俺、汚れてるから…」


「そんなの…気にしなくていーのに」


ゆきは
そう言って
俺にチュッと
軽いキスをした


ゆき…




もっと深いキスをしたかったけど


我慢して、ゆきを家まで
送って行った。






キレイなゆきを
汚してしまいそうだったから。

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