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好きになってごめん…

第10章 最高で、最悪な日

あ「何?これ。」

翔「開けてみてよ。」

水色の袋から、何かを出す。
出てきたのは、ウサギのマスコットがついた、キーホルダー。

あ「なんで私に?」

翔「今日は、なんの日ですか?」

えっと、今日何日?

8月……

24日。

あ「私の誕生日?」

翔くんが、ニコッと笑う。

あ「なんで、?」

翔「覚えてたから。」


少し質問とは違う答えだったけど、すっごい嬉しい。

あ「、夏乃より、私の方が誕生日早いから…
まだ夏乃には、なんにも買ってないの?」

コクッと頷く。

あ「ダメでしょ。彼女より先に、友達に贈るって。」


ヤバイ、すっごくヤバイ。

嬉しすぎる。

翔「それ、あんなに似てない?」

あ「私、こんな可愛くないよ?」

翔「いやいや。超そっくり。」

あ「そうかなぁ?(笑)」

翔「ってかさ、俺らいつまでラーメン屋いるの?」

あ「そろそろ出よっか。」


病院への、帰り道。
近くの広場で、ちょっと休んでいる。

翔「ひとつ聞きたいんだけど。」

あ「何?」

翔「なんで、今日俺と一回も目合わせてくんないの?」

あ「それは、彼女いるじゃん、一応。」

翔「質問の答えになってない。ねぇ、なんで?」


好きになるから、なんていえないでしょ。
翔くんの、綺麗すぎる目なんて、見たら想いが止まらなくなるじゃん。

[♪~~~♪~~]

翔くんのケータイが鳴った。

翔「あ、もしもし?俺。うん、、うん。わかった、駅ね。すぐいく。うん、5分位?じゃ。」

あ「夏乃ですか…」

翔「うん。これから駅に迎えに来てだって。」

あ「じゃ、私ここでいいから。」

翔「ごめん、また遊びに来るから。」

あ「今度は、2人でね。」

なんて、心にもないことを言ってみる。本当は、翔くんだけがいいけど、もう、彼女いるんだもんね。
結局、最後は負けるんだよ。
所詮、私は、親友でしかないから。

翔「気をつけて帰れよ。」

あ「翔くんも。」

こうして君は、愛する彼女の元へと走っていった。

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