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忘れ得ぬ出来事

第1章 中学生最後のクリスマス

「直子、順子から大体の事を聞いてる、色々と話す前に、一つだけ良い?」

直子、順子、洋子、クニミが自分を見つめる。

「今からどんな事が起ころうと、ここにいる4人は絶対、直子の味方だから、直子の事裏切らないって、誓うから、信用してくれ!」

他の3人も直子を見て頷く、4人の真剣な表情を見て直子が頷きながら小さな声で、
「ありがとう・・・・」と言った。

直子の顔から涙がこぼれ落ちる。順子が背中を摩りながら直子を慰めていた。


自分は直子が少し落ち着くまで待って、話しはじめた、

「ネェ直子、直子のお母さんの事、好きか?」
直子は頷きながら
「うん、好き」

「どんなお母さん?」

「優しいよ・・・・?」

「直子のお母さんに話そうよ」

直子の顔が恐怖に歪むやっぱり知られたくない見たいだ。

自分も緊張で身体が震える、ヤバイ、ちょっと歯を食いしばる、
言わなきゃいけない事がなかなか出てこない、

その時順子が手をそっと握ってくれた。
顔見ると、泣きそうな顔で頷きながら応援してくれた。

「このままだと、何も解決しないと思うんだ、自分も順子としてるから、何時同じ事になるか解らないし、なったとしたらって、色々考えたんだ、」

直子が自分と順子を見て少し驚いた顔になった。

「でも答えなんて、出なかったんだ、最後は親に話して、助けて貰うしか考えつかなかった。」

「多分、怒られると思う、思いっきり、悲しむかもしれない、でも、やっぱり俺たちまだ中学生なんだよ、親を頼って良いと思うんだけど、直子はどう思う?」

直子は再び、泣き出しながら小さな声で、

「わ、私、怖いの・・・・どうして良いか解らないの・・・・うううっ・・・・」

涙を拭いてあげながら、クニミが「お母さんに知られるのが怖いの直子?」と聞くと

直子がフルフルと首を振る、そして、お腹をさすりながら・・・・・

「あ、赤ちゃんが・・・・お腹の赤ちゃんがどうなるのかが怖い・・・の・・・・・
私、う・生みたい・・・うううううッ」

その話を聞いた途端、熱いものが、込み上げてきた、我慢できない・・・・

泣きながら話す直子を見て、全員が泣いた、自分も順子も洋子もクニミも泣いた。

直子の純粋な心に心底感動し、何とかしなきゃと本気で思った。

暫く部屋の中で嗚咽とすすり泣く音だけが聞こえてた。
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