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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第4章 Forever~永遠~

「―泣かないでくれ。私はそなたの涙を見るのがいちばん辛いのだ」
 王は言いかけてツと小さく呻いた。
「胸がお苦しいのですか?」
 王は小さく頷き、力ない笑みで応える。
「そなたのせいではない、真戸那。そなたが止めるのもきかず、私が無理にそなたを連れ出したのだ。何もそなたが責任を感じる必要はないのだよ」
「―」
 藍那はうつむき、堪えられない涙を零した。

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