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　彼から贈られた簪や二人で拾い集めた星の砂が、あの幸せなひとときは夢ではないと教えてくれる。
　藍那は改めて分厚い本をめくってみた。
　まずは冒頭の開いたままのページを見る。そこには四時間前に見たのと同じ、琉球王室の系図が載っている。
　更にページをめくっていくと、歴代の王についての略歴が記されているページになった。当然ながら初代国王から順に並んでいる。ページを繰るのももどかしく進んでいくと、かなり後半になって〝尚正王〟の項があった。