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5つの小さな恋の唄*続編*

第3章 『秘密』主演*二宮和也*

あの日から君は、忘れ物をしなくなった。

おはようも、また明日ねも、言わなくなった。

微妙な距離ができてしまった。

せっかく仲良くなれたのに....
それに、義手なんて気にしてないのに....
でも本人は気にするよね....

何でも打ち解け合えればなぁ....

そう思いながら、また星を見に行ったある夜。

僕より先に、陽葵が来ていた。

「陽葵....?」

そう声をかけると、陽葵は泣いていた。


数年前、不慮の事故で左手を失ってしまった話を聞いた。
誰にも気付かれないようにしてきたのに、僕に思わぬ形で気付かれてしまったことが悲しかったらしい。

「そうだったんだ....ごめんね?」

「....うん。こんな私のこと、和くんは嫌いだよね」

「!そんなわけないじゃんか(*^ω^*)」

「えっ?」

「僕は、陽葵が義手だろうと、義手じゃなかろうと、そのままの陽葵でいてくれればいいから」

そう言うと、陽葵はそっぽを向いた。

僕は、今夜分かったことがひとつある。

陽葵は、僕のことがすきなんだ。

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