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僕は子供じゃないっ

第3章 見つけ猫

柴輝side




「おーい、起きろよー。聞こえてるかー?」


誰かに呼ばれている声が聞こえたと思ったら、急に身体が大きく揺らされた。


「…?
Where is it here?」


「あ、起きた。今のって英語?」


目を開けた僕の視界には、知らない格好いい男の人がドアップで映っていた。


「oh!
…Who are you?」


「お、やっぱり英語だ。…日本語話せる?」


「少し…。誰…君?」


僕は両親ともに日本人だけど、ずっとアメリカ暮らしだったからカタコトでしか話せなかった。


聞くのは何とかできるんだけど…。


「俺は…一護って名前。段ボールに入ってたお前を拾ってきたの。で、いくつか聞いていいかな?」


「はい…。」


優しそうな人だけどこの人も悪い人の仲間だったらどうしよう…。


そんな不安が僕の頭から離れてくれなかった。


「まず1つ目。名前は?」


「夏目柴輝…。」


「柴輝くんは何歳?」


「…15歳…。」


僕が自分の年を言うと、男の人はびっくりした顔をした。


「一護…びっくりなの?なんで?」


「もっと幼いかと思ったよ。それでえっと…どうしてあんなところに?」


「怖い人…僕を連れて行った…ここに。僕、怖いだから…逃げたの…。」


それを聞いた一護は、何も言わずに僕の頭を撫でてくれた。


「一、護?」


「辛かっただろうね…。いい子だ。」


優しく笑った一護は、見とれるくらい格好よかった。


子供扱いされてるみたいで振り払いたかったけど、そうされてるとなぜか安心できた。




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