テキストサイズ

僕は子供じゃないっ

第4章 育て猫

柴輝side




一護に手渡された服は、やっぱり僕には大きいみたいだった。


大きいサイズの服を着ると、僕のコンプレックスである小ささが際立って見える。


「変…絶対変…。格好いいが悪いっ。」


七分袖が長袖みたいだし、裾も足首まで届いていた。


「でも…この服…すべすべ〜♪」


肌触りがすごくいい。


すべすべでふわふわでずっとスリスリしていたいと思うくらい。


だけど今は一護が待ってるから、スリスリは後にすることにした。


タンスからズボンを取って穿いた。


ぶかぶかなのは気になるけれど、これもすべすべで気持ちが良かった。


「一護…着替えた。僕…格好いいが悪い?」


部屋から出て一護に尋ねると、小さく笑われた。


「やっぱり変…僕?」


「ううん。服のことじゃなくて、その…。格好いいが悪いって(クスッ。」


僕には一護が何に笑っているのかさっぱり分からなかった。


「一護っ、何可笑しい…?」


「あのね、格好いいが悪いって日本語はないんだよ。それは、格好悪いって言うんだ。」

「格好いいが悪いは…格好悪い…同じ?」


「そうそう。それにその服、似合ってる。」


一護がまた僕の頭を撫でてくれた。


少しだけ髪をくしゃくしゃするような撫で方が心地いい。


目を細めて笑いながら、一護の手の感触を楽しんだ。


「柴輝、猫にそっくりだな。頭のてっぺんだけ猫耳みたいにはねてるし、頭撫でられると落ち着くみたいだな。」


僕の頭から手を離した一護がそう言った。


僕が首を傾げても一護は微笑むだけだった。




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