テキストサイズ

僕は子供じゃないっ

第3章 見つけ猫

一護side




チャララ〜チャ〜チャララ〜♪


「うーん…。」


嫌々ながら起き上がって携帯を手にすると、画面には8時と表示された。


今日は大学は休みだしバイトは夕方から。


「まだまだ余裕だな。二度寝しよう。」


布団に潜ろうとした時、携帯の着信音が部屋に響いた。


母さんと表示されたのをみて、すぐに電話に出た。


嫌な予感がする。


「母さん、どうかしたの?」


「一護〜…お金貸してくれない?」


俺の予感は的中した。


母さんが俺にお金を求めてくるのは珍しいことじゃない。


母さんはもっぱら男運が悪いからな。


「いくらなの?」


「100万円必要なのよ。彼が借金しちゃって…早く助けて旅行に行きたいのっ。」


「100万円……何とかして振り込んどく。」


「ありがとう〜♪愛してるわっ。
じゃあまたね。お金のことよろしく〜。」


母さんは上機嫌で電話をきった。


端からみたら最低の母親かもしれないが、あんなでも俺にとっては大切な母絵だ。


それに俺は仕事のお陰でお金に困ることもないから、母親のために殆どを使っている。


「にしても、目が覚めちゃったな。」


ベッドからおりて、スウェットとTシャツに着替えて珈琲を注いだ。


朝の珈琲は俺の日課で、これをすると頭がすっきりと整理される感じがした。


「貯金を崩して70万円か…。残りは給料で払うしかないな。」


そんなことを悶々と考えていた。


―ピーンポーン


ストーリーメニュー

TOPTOPへ