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Happy birthday Jun

第1章 Happy birthday Jun





…この人はなんて優しい人なんだろう。


あたしは潤を見つめて首を振った。

美「潤はちっとも悪くないよ。あたしはね、そういうので潤が悪いなんて思ったことないよ?」


仕事が遅くなるのは仕方ない。

むしろ、疲れてるのにいつもベッドまで運ばせてるあたしのほうが悪いくらいだよ。

潤がこの仕事をすごく大切にしてるのをあたしは知ってるから、

だからこそあたしが応援しなくちゃ。


潤「ありがとう、いつも寂しい思いさせてごめんな?明日休み取れたからさ、どっか美希が行きたいとこ行こ?」


美「うそ!潤明日お休みなの?!」


やったぁぁ!

潤は優しく微笑んでコクンと頷いた。


潤「どこ行きたいか考えとけよ」

美「うん!」


どうしよう!

すっごい嬉しい!


潤「ほんじゃ、ケーキ、食べていい?」


シンクに置かれたケーキを指差して潤は首を傾げた。


美「えっ、えぇぇぇ!今、食べるの?!」

上手く出来たかわかんないのに、あたしがいる前で?!

潤「うん、今」

潤は相変わらず微笑んで頷く。


美「もっもうおそいし、明日でもいいんじゃ?」


潤「だめ、今」


うあー…。

潤はこーゆーとこ頑固だからなぁ


美「わかったよ…、」


あたしは包丁を取り出してその場でケーキを切った。


美「はい、」


お皿に取り分けて食卓に座った潤の前に置く。


潤「おー、うまそ!」

フォークを手にとって潤は『いただきます』と言ってケーキを口にした。


美「…どっどうかな?」


恐る恐る潤に味の感想を求める。


潤「…………まずい」

え、やばい泣く。

あたしがうるうるとしていると潤はニカって笑って、

潤「訳ねーじゃん!」

と言った。


美「なっなにそれ!」

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