この前、人を拾いました
第35章 ④―2 許嫁という身分
「何あなた、礼二様に拾ってもらったわけ…!?」
血相を抱えてイスから立ち上がる九条院さんを、まぁまぁと瀧山さんが宥める。
「いえ………あの………私がレイを……」
「はぁぁぁぁあああああ?!?!」
吹き飛びそうなほどの大きな声。
ちょっ…
一応庶民には近所ってものを気にしなきゃいけない文化が…
「礼二様ともあろうお方がそんな路頭に迷うなんて……っ
そんなことあるわけないでしょう!!!!!!」
「いや……そう言われましても…」
確かに彼は道に座り込んでいて、
別にその時はそんなお金持ちっぽい雰囲気はなかったし(今もないけど)…
無理矢理拾わされたわけだし…