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この前、人を拾いました

第50章 ⑤―4 倦怠期...?

それまで、表情を変えることなく返事をしていたお兄ちゃんだったが、
華美さんの名前を出した途端、明らかに動きが変わり、表情が一変し出した。




「知らねぇよ、あんなやつ。」




それだけいうと、お兄ちゃんはまたカレーを食べ始めた。



やっぱり…


ケンカしたのかな…。


「ごっそさん。

シャワー借りる。」



そう言ってお風呂場へ向かうお兄ちゃんを追い掛け、腕をつかんだ。



「なんだよ。」



振り向かずに答えるお兄ちゃん。



その背中が、何だかとても悲しそうに見えた。



「何が、あったの…?」



なるべく刺激しないように静かな声で私は尋ねた。

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