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この前、人を拾いました

第61章 ⑥─3 やっぱり何かあるご様子

「な、なに?」

なるべく平常心でいようとするが、そんな試み虚しくしょっぱなからかんでしまった。


だが、レイはそんな私を気にも止めず、触れるだけのキスをして私に抱き付いたまま眠ろうとしていた。



どうってことのない
いつもと変わらない時間。

本当に、このレイが誕生日になったらボーっとしたり、怒ったりするだろうか……


とても不思議に思いながらも、少し試したくなって、私はそのままの姿勢で



「クリスマス近いねぇ~」


などと白々しくレイに言ってみた。




どういう反応をするのだろうかとじっとレイを見ていると、レイは静かに私から腕を放し、無表情で私を見た。

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