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この前、人を拾いました

第61章 ⑥─3 やっぱり何かあるご様子


「風呂にはいる。」




レイは私の言葉には全く反応せずにそれだけ言ってお風呂へゆっくりと歩いていった。


「え、ちょっと、無視?」

そんなレイの背中を見ながら、少し怒った口調で私がいうと、


再びレイが動きを止めた。


え?



「ちょっと…?レイってば!」


と私が声を掛けると、
レイはクルッと振り返り、

「風呂にはいるって言ってるだろ!」


と強く言い放ってリビングから出ていってしまった。



初めて、
レイが本気で怒っているのを感じて、私はこわいと思った。


あんなに鋭い目でにらんでくるなんて…



どうやら若村さんの言っていたことは本当らしい。

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