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この前、人を拾いました

第63章 ⑥―5 10th Birthday

それから、

礼二は私や父のことを見て何度か、


「お母様……」


と呟いた。


訳が分からず、父と私は困惑した。


きっと、
幻覚か何かを見てるのだろう。


ちゃんと静養すればよくなる。


そう思っていたある日、


父と私はいつものように礼二の見舞いに行った。



「気分はどうだ?礼二。」


「もう良くなってます!
遊びたい…」



身体に繋がれていたチューブもいつの間にか少なくなり、礼二はだんだんと笑顔を見せるようになっていた。


「ハッハッハッハッ、もう遊ぶことなんかを考えているのかっ!大分良さそうだな、安心したぞ。」


父もそんな礼二の回復を見て、とても気分が良さそうだった。

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