テキストサイズ

この前、人を拾いました

第65章 ⑥―7 26th Birthday

「あっ!」


そう叫びながら、勢いよく振り返ったレイの腕が私にぶつかって、


その弾みで

手からケーキが

滑り落ちていった。



べちゃっ………



逆さまに落ちていったケーキは

形を崩して床に生クリームをいっぱいに広げた。



レイはそのケーキを見て少し驚いたようにすると、


ちっ


と舌打ちをしてまた私に背を向けたまま黙ってしまった。



まだしっかりと貼り付けることができなかった"Happy Birthday"の幕が、

片方だけ下がって今にも落ちそうにぶらぶらしていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ