この前、人を拾いました
第91章 ⑨ー1 ドライバーはクレイジー
もう1年もこの人といるのに、私は本当に甘い。
『よしっ!!!じゃあ行くぞっ!!!』
そりゃあ、ハンドルを握ったレイの横顔はかっこいい。
本当、溜め息が出ちゃうくらいだ。
『うん、じゃあお願いね。ちょっと混んでそうだし、安全運て──』
『かっとばそうっ!!!誰よりもはやく!!!』
悪夢の始まり…
『えっ…ちょっ!なに言ってんのっ!?もぉやだ冗談でしょ?』
『冗談っ!?!?ハハハハハっ!!!りんちゃんのその言葉こそ冗談だろっ!?!?』
血の気が引くとは、まさにこのこと。
『なっ!やめなさいっ!!!事故でもしたらっ──』
『事故!?!?!ハハハハハっ!!!この僕が事故なんか起こす訳が無い!!!!』
『ちょっ、ちょっ、ちょっとぉおお!!!』
ブーンっと、車が元気よりうなり声を上げる。
『事故は愚かな人間が起こすんだ!!!!』
ああ、私死ぬんだな。
と思ったその瞬間、レイは私の方を見て、ニヤリと笑った。
『僕は
神だぁぁぁああああああ!!!!!!』
『ぎゃあああああ!!!!!』
まぁ、その後は、言うまでもなく、私の意識は飛んで、
おばあちゃんのお迎えが来てしまったと
そう言った訳だ。