この前、人を拾いました
第91章 ⑨ー1 ドライバーはクレイジー
つまり、私は、この人に殺されかけたのだ。
「いい加減にしなさいっ!!!!大事な人を乗せてるんだから、安全運転しよう!とかそういうことをあんたは思わないわけ!?!?」
「いたいっ!!!耳がちぎれそうだっ!!」
「耳くらいちぎれたっていいでしょ!?私は死にかけたんだからね!?おばあちゃんが私のこと迎えにきたんだよ!?!?」
「おお!元気だったかっ?」
っ…だめだこいつっ…
私は、即座に諦めると、レイの耳から乱暴に手を離して、背もたれに背を付けた。
「は…あ…」
もうダメ。
本当に無理。
ようやく実家まで来た訳だけれど、もうこの人とこれからやっていくなんて考えられない。
そうよ、私が決断を急ぎすぎたんだ…
あんな風にいい感じでプロポーズしてきたから、判断ミスをおかしたんだ…
大丈夫、今ならまだ、
遅くないっ!!!!!