エンドレス
第17章 薫 ー 暗黒の中の光 ー
別れの時間が近付いた。
ずっと身体を重ねていた。
薫は、紗耶香の身体に身を預け、柔らかく温かい胸の中に抱かれていた。
「・・そろそろ時間だわ・・・」
紗耶香が薫を抱きながら寂しげに囁いた。
薫は、なんと言葉を返せば良いか判らず無言のままで動かずにいた。
「薫さん・・ありがとう・・・わがままに付き合ってくれて・・・」
薫は泣きそうな顔を見られたくなくて、紗耶香の胸に抱かれたまま首を振る。
「私の方こそ・・いろいろと良くして戴いて感謝してます・・・また・・また会え・・・」
薫の言葉を遮るように、紗耶香が手を薫の唇にそっと添えた。
「薫さん・・会わなければいけない人がいるのでしょ?・・・ここからは、その人に会う事だけを考えなさい・・・」
身体を起こし、紗耶香の顔を見る。
紗耶香も目に泪を溜めていた。
薫の頬に涙がこぼれた。
「・・・はい・・・」
そう答えるのが精一杯だった。
最後のキスを交わした。
唇同士を重ねるだけの、紗耶香との別れのキスだった。
ずっと身体を重ねていた。
薫は、紗耶香の身体に身を預け、柔らかく温かい胸の中に抱かれていた。
「・・そろそろ時間だわ・・・」
紗耶香が薫を抱きながら寂しげに囁いた。
薫は、なんと言葉を返せば良いか判らず無言のままで動かずにいた。
「薫さん・・ありがとう・・・わがままに付き合ってくれて・・・」
薫は泣きそうな顔を見られたくなくて、紗耶香の胸に抱かれたまま首を振る。
「私の方こそ・・いろいろと良くして戴いて感謝してます・・・また・・また会え・・・」
薫の言葉を遮るように、紗耶香が手を薫の唇にそっと添えた。
「薫さん・・会わなければいけない人がいるのでしょ?・・・ここからは、その人に会う事だけを考えなさい・・・」
身体を起こし、紗耶香の顔を見る。
紗耶香も目に泪を溜めていた。
薫の頬に涙がこぼれた。
「・・・はい・・・」
そう答えるのが精一杯だった。
最後のキスを交わした。
唇同士を重ねるだけの、紗耶香との別れのキスだった。