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跨いでいった男たち

第17章 ムチな男 Ⅳ the past

このまま

里奈の部屋に行き抱きしめたかった。

きっと震えてる

きっと泣いている

僕は里奈の家のドアノブを握ったけどいまさらどうすればいいんだ。と思ったらドアノブから手が離れ車に戻る。

僕はそんな勇気も持てず怒りだけでここへ来たけど・・。

うとうと車の中で寝てしまった。

何時だろうと目が覚めると朝を迎えてた。

ふと路地から里奈が歩いてきた。

あんなに泣きはらして、美しい顔が歪んでいた。

僕の歪な愛と同じに・・・

車を飛び出すと僕に気づき里奈は
恐怖に満ちた顔で僕を見た。

里奈のそんな顔を見たくなくて
抱きしめてしまったんだ。
スッポリと僕の胸におさまった里奈は震えていた。
ごめんね。ごめんね。僕の歪んだ愛し方のせいでこんな思いをさせて・・・

涙がとめどなく溢れていく・・・。

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