跨いでいった男たち
第37章 天使が微笑む頃
真っ白なベットに美しい女性は横たわっていた。
窓から燦々と降り注ぐ光に照らされた彼女の腕は透き通るように青白く細い。
ゆい「里奈ちゃん、りんご食べる?」
里奈『・・・・・』
顔はこちらに向けて微笑むように口角はあがるが返答はない。
けれどゆいは献身的に里奈に語りかける。
ガラガラガラ
ゆい「あっ笹木さん、こんにちは!」
笹木『ゆいちゃん、来てたんだ』
ゆい「はぃ、できる限り里奈ちゃんの顔見たくて。」
笹木『里奈ちゃんは?』
ゆいは首を振る
笹木『そっか、仕方ないね。里奈ちゃんお花買ってきたよ。』
笹木『春日さんは?』
ゆい「里奈ちゃんの入院の手続きとか書類やってくれてるよ。」
笹木『さすが、春日さんだね、ありがたいことだね。』
笹木『ゆいちゃんと話してるときは尻に敷かれてるって感じなのに・・笑』
ゆい「本当に。。クスッ照あまり釣り合ってない感じするけどね。。」
笹木『そんなことないと思うよ』
ゆい「笹木さんだってお仕事あるのに、里奈ちゃんの顔見に来てるんだもん、大好きなのね♪」
笹木『こんな気持ち初めてなんだ、よくわからないんだけどね。』
ゆい「恋とか愛ってよくわからないものなのかもしれませんね♪」
ガラガラガラ
春日『こんにちは♪』
笹木『どうも~色々動いてるみたいですね』
春日『国家権力なんてこんな時に使わないとね♪あと色々わかったことがあるんだ。あとで笹木君時間もらえるかな?』
笹木『はい、わかりました。』
ゆい「ゆいは混ぜてくれないの!プンプン」
春日『男にしかわからないこともあるんだよ、ゆい』
ゆい「ちぇーーーケチッ」
クスクスクス・・・
ゆい・笹木・春日 !!!!
『里奈ちゃん!!!!!』
里奈「クスクスクスクス・・・」
里奈ちゃんが笑ってる声を出して。3人共涙が止まらなかった。
ゆいは里奈の手を取ると、一緒に笑った。