誠の華
第1章 出会い
そして、オドオドする私を押し込む形で建物に入れる男と、やって来たのは一つの部屋の前
男は「土方さぁん!入りますよ!」と、言いながらいきなり襖をスパーンと、開けた
それと同時に
「総司ぃぃぃぃ!声を掛けろと言ってんだろうが!!!」と、怒声が響き渡った
そんな二人を差し置いて青くなる私
土方歳三に沖田総司...
やはり此処は幕末...
人が意図も簡単に死ぬ時代
私はグッと握り拳を作り、決心した
迂闊な事は喋らない方が良い...
そんな私の瞳に飛び込んで来たのは
土方さん
鬼と呼ばれた副長
その人は本で見るよりも若く見えた
そして美形...
切れ長の瞳は漆黒、形の良い薄い唇は赤く色づき、妖艶さを醸し出していた
威圧感たっぷりで私を見つめると「誰だ?」と、眉間に皺を寄せたまま声を吐き出した
でも、次の瞬間、瞳を見開く土方さん
そして私そっちのけで始まる会話
「テメェ!何だ、その格好は!異人じゃ、ねぇだろうなぁ」
「ですよね、私も怪しいので取り合えず拾って来ました」
「ひ、拾って来ただと?テメェ、総司!犬や猫じゃねぇだろうが!怪しい奴拾って来んじゃねぇ」
「えぇ~でも「でもも糞もねぇだろうが!」
「大丈夫です!黒なら殺せば良いだけです!」
沖田総司のその声に血の気がサーッと引いた
その笑顔も怖くて怖くて徐々に震える体を必死で抱き締めた
その内息苦しくなって来て、そんな私に
「「どうした(ました)」」と、声が聞こえた所でプツンと、意識が途絶えた