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愛の嵐

第17章 氷魚の嵐

《松本side》
砂浜に下りて先を歩く雅紀を見る
強い風に煽られ細い身体はよろめく

松「おい、大丈夫か?」
相「へへっ、砂に足取られたのかな?」

腕を取り引き寄せたくなる
慌てて伸ばした手を引っ込めた

相「じゅん~、お腹空いたね!」
松「もうそんな時間か?」

腕時計に目をやると12時を少し過ぎていた

松「正確な腹だな」
相「そうかな?」

笑いながら車へと戻る

相「お礼しないとね!」
松「そんなのいいよ。当たり前の事だから」
相「俺の気が済まない!」
松「分かった。飯奢ってくれるんだよな?」
相「うん!奢るよ~」
松「奢らなくていいから、雅紀の手料理!」

ビックリしてる
断られるのは分かってる
冗談だからな

相「いいよ!買い物して帰ろうか♪」

え?マジ?
言った手前引き下がれない
心臓がバクバクなってる
驚き過ぎだろ、俺

いつもと変わらず雅紀は笑ってる
なぜかは分からないけど
壊したくなった
組み敷いて抱き潰したい
この欲望がどこから来るのか分からないまま雅紀の家に向かった

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