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赤い糸

第7章 出発







ずっと笑ってようって思ったのに…
ずっと一緒にいたいって思った瞬間、離れなきゃいけないんだって思って、涙が目に溜まる。
だめ。
ここじゃ泣けない。
荘太に迷惑がかかる。
どこでもよかった。
荘太を感じれる場所なら。
私は、
「海行く。」
そう言って車に急いだ。
涙が流れそうになりながらも、必死に堪えた。
「は?」
そう言って荘太が私を覗き込む。
見ないで…
こんな顔見ないで…
きっと気付かれた。
でも、荘太は何も言わなかった。
言わなかったけど、何も言わず私の手を強く握ってくれた。







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