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赤い糸

第8章 遠距離







荘太といる時間はすぐに過ぎてしまう。
時計をみるのが辛い。
でも、お互い仕事があるから…
どんなに辛くても、明日はくる。
車の中。
高速バスの出発まで、あと数分。
でも、駐車場で握った荘太の手が離せない私。
もう少し…
もう少しだけ…
でも、時間は待ってくれなくて。
逆に時間が過ぎるのが早い。
ひくっ…
泣かないつもりだったのに…
泣いたら荘太がかわいそうだから…
でも、止まらなくて…
もう時間だ…
そう思った私は、私と同様に涙を流す荘太に、
「行ってらっしゃい」
涙を流しながら笑顔で告げた。







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