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愛しの茉莉亜

第2章 再会

茉莉亜の店は『マーメイド』という小さなパブだ。


茉莉亜に会いたいが、こういう店には行った事がなく入りづらかった。


いくら必要なのかも分からなかったが、どうしても茉莉亜に会いたくて、とうとう店のドアを開けた。


「いらっしゃいませ」


店員全員が元気良く声を揃えて言った。

「あっ優ちゃん!」


茉莉亜は嬉しそうに僕のところへ来た。


「来てくれると思った」


茉莉亜は笑顔で言った。


「ママ、この人優ちゃん。私の知り合いだから」


茉莉亜はそういうとカウンターに僕を座らせた。


「何飲む?」


茉莉亜は手慣れた手つきでおしぼりをくれた。


「じゃ、バーボンをロックで」


普段は水割りだが、ちょっと無理してロックで頼んだ。


「了解」


茉莉亜は親しげに返事をした。


茉莉亜はフォアローゼズのボトルを持ってきた。


「あっボトルはいいよ」


ボトルを入れたらいくらになるか心配で、僕は断った。


「いいの。これはこの間のお礼。心配しないで」


そう言うとボトルにマジックで名前を書こうとした。


「ねぇ、優ちゃんのゆうの字って優しいでいいの?」


「うん」


「やっぱりね!優ちゃんは名前の通り優しい人だもんね」


そう言って僕の名前をボトルに書いた。


僕は少し照れくさかった。

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