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愛しの茉莉亜

第8章 穏やかな日々

「茉莉亜も優ちゃんにプレゼントがあるんだ」


先に茉莉亜が口を開いた。


僕は何か分かっていたが、驚いたふりをした。


「はい!」


可愛らしくラッピングされた袋のリボンを解くと案の定、手編みのマフラーがクルクルと巻かれて入っていた。


出そうと掴んだら、マフラー以上の重みに驚いた。


そっと袋から出しクルクル巻かれたマフラーを外すと、なんとカメラのレンズが包まれていた。


「茉莉亜が編んだマフラーと…優ちゃん、前にそのレンズ真剣に見てたでしょ。欲しいのかと思って…」


それは欲しかった僕のカメラの300の望遠レンズだった。


「すげぇ、有難う!大切に使わせてもらうよ。
勿論、手編みのマフラーにはもっと感動だ!」


茉莉亜が夜な夜な編んでいた、気持ちのこもったマフラーは本当に嬉しかった。


「茉莉亜、俺ももう一つあるんだ」


茉莉亜が不思議そうな顔をした。


僕は小さな箱を茉莉亜の手の平に乗せた。



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