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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第13章 大切な物

ん~‥。‥‥‥。

「朝。か‥」

布団から出ようとすると匂うはずもない先輩の匂いがするように思えたから俺は布団を抱きしめた

けど‥忘れなくてはいけない


先輩はもう俺の物ではない


それに今日は先輩を忘れる為に行く執心旅行なんだっ!

「出発は13時発のひかり19号か‥‥」

まだ時間あるな‥
ゆっくりしていこう

名残惜しい先輩と過ごしたこの部屋‥

沢山詰まった先輩との思い出が沢山沢山詰まったこの部屋‥
俺は先輩の面影をまだ探していた


目を閉じれば今も先輩がそばにいるような気がして


先輩‥‥


今アナタは何を考えていますか?


少しでも俺の事考えてくれた?



そんな事を思っているとお昼になっていた


「さぁ!行くかっ」

俺は荷物を持って家に鍵をかけた

















日高を図書室で来るのを待つ日々

今日は来る?来ない
明日は来る?来なかった

日高が来なくなって一週間は経っているように感じた

朝になり大学に行き花壇に水をあげようとすると日高が植えたチューリップの苗が少し成長していた

「少し成長したぞ‥日高‥」

俺は優しく少し成長したチューリップの苗を触っていた


花壇に水をやり終え戻ろうとすると

いつもいつも日高のそばにいた彼がトボトボ歩いてくるのが見えた

俺は駆け寄り

「君!?‥日高‥知らないか?」

えーっと顔した彼

「一樹チャなら家出っゴホッ!って言って今日の新幹線で行くって」

家出!?

新幹線??

何の話だっ?!

「言ってた僕寂しくって‥着いて行きたいって言ったらダメって言わ」

「何時の新幹線なんだっ?!」

俺は大学を後にして東京駅に向かって走り出した


日高‥


日高‥行くな


俺を置いて行くなよ‥



走って走って口から血の味がしてきた


途中タクシーを見つけタクシーに乗り込み東京駅まで行くようにつげると流れ出したラジオ

「恋文の時間になりましたーリスナーの」

恋文?
今時こんな番組あるんだな‥

「今日お便りくれたのはですね‥」

ラジオなんかどうでもいい

今は早く日高に逢いたかった


身体を乗り出し

運転席の前を見る

早く着いてくれ

その間もラジオは流れていた

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