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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第13章 大切な物

道路は渋滞していた

『ペンネーム玉子サンドさんからのお便りです』

玉子サンド?

東京駅に早く着いてほしいと思いながらも勝手に耳に入ってくるラジオ

『お元気ですか?毎日図書室に行き密かにアナタをずーっと見ていました先輩覚えていますか?』

図書室で密かに先輩って?え?

『それがいつしか恋に変わった。先輩も俺の事好きでいてくれた?』

俺‥‥?

玉子サンド‥‥

俺は身体が震えてきた

『もう届かないけど‥俺は今でもアナタを想っています。二人は恋人同士だったのかな?別れは辛いね¨素敵な出会いを見つけて下さい♪恋文ありがとう♪リクエスト曲はですね‥』

素敵な出会いってこれは日高が俺に宛てたメッセージだ

日高がリクエストした曲が流れ出した

《君に逢いたくて¨君に逢いたくて¨僕の心はずっと君を探している¨》


日高‥

《この部屋に残された君との想い出¨君の笑顔が忘れられなくて¨目を閉じればすぐそこに君がいるような気がして》

《いつかこんな別れがくる事分かっていたはずなのに¨》

俺は‥

「急いでくれっ!」

叫んでいた

《君を何度も傷つけたね¨その度に僕は君を抱きしめた》


《重なりあった温もり今でも覚えているよ¨君に伝えたいもう届かない想い¨》

涙が込み上げてきた


《¨僕の心は今でも君を¨》

「ここから走って行かれた方が早いと思いますよ?」

俺はタクシーを乗り捨て東京駅に向かって走りだした

日高っ!

《探している¨》

《もう一度¨》

ハァハァハァハァハァ‥

改札口に入り新幹線のホームを走る

《もう一度¨願いが叶うなら¨》


日高‥

日高‥!

「13時発のひかり19号‥‥ハァ‥ハァ‥」


あった!

一つ一つ窓を走りながら確かめる

いたっ!!


《願いが叶うなら‥もう一度この手を繋いでほしい》




俺は新幹線の中にいた

荷物を棚に乗せてっと!

俺はその時固まった ふと目に入った窓から

「先輩‥‥?」

嘘?
何で?



何か口をパクパクしている先輩‥‥

尖らせたかと思ったら横になる唇また開いた


《す‥き‥だ‥》

「先輩‥‥っ」



プルルル~♪発車しますご注意ください

ガタンゴトン♪
ガタンゴトン♪

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