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運命の誘惑

第3章 高校3年  春

隣りで“もうっ!!”て言いつつ私を怒った顔で見据えるけど全く動じない。



だって、いつもの事だから。



私が煙草を吸い始めてからほぼ毎日繰り返されるこのやり取り。



‥いい加減、好美も疲れないのかな。



なんて思ってしまう。




フゥー‥‥と白い煙を吐き出しながら、ついでに自分の魂も煙と一緒に抜け出せばいいのに。



そんなくだらない事を思いつつ風に舞って消えていく煙を見てると




「煙草」



「ん?」



「愛結が煙草吸い始めて何年だっけ?」





そう言いながら好美は私の上着の内ポケットからマルボロメンソールを取り出して箱を眺める。





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