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運命の誘惑

第3章 高校3年  春

携帯に声だけを残したまま、この世界から恭が姿を消して約3年。



恭が居なくなってから私は煙草を吸い始めた。




‥恭が吸ってたマルボロメンソール。




恭が居る時はこの煙草の匂いがとにかく大嫌いだった。



何度も、今の好美のように




「吸ってるから足が遅いんだよ?

煙草早く止めてよね!」




口煩い奥さんの如く言ってたっけ。




その度に恭は私を宥めるように頭をポンポンして





「愛結を嫁に貰う時にな?」





優しく目を細めて笑って髪を撫でた。








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