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運命の誘惑

第10章 曇り空  汐生side

俺の腕の中で籠った声で


「‥え?」



戸惑い気味の寺島を思いっきり抱き締める。



寺島が1人で思い出に浸ったりしないようにここ最近毎日ウザがられながらも付きまとってたのに。


なのに今日みたいな日に居てやれなくて




「寺島、ごめん」



「1人で泣かせてごめん」



縋らせてやれなくてごめん‥。





俺は腕の中で突然の俺の登場に戸惑ってる彼女をありったけの力で抱き締めた。





‥少しでも人の温もりを感じさせてやりたくて。




少しでも苦しさを緩めてやりたくて‥・








ぎゅっと寺島を抱き締めた。









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