テキストサイズ

運命の誘惑

第18章 彼女の闇

俺は彼氏の【声】に成りきってやるほうが今の苦渋に満ちた寺島の顔を緩めてやる事が出来ると思った。



悔しいけど‥


今は俺じゃなくて彼氏の出番じゃないか。

そう思ったから彼氏の【声】に成りきった。





‥だけど。





「ごめんなさい‥・」




寺島は表情を緩めるどころか。


彼女は一粒の涙を流した。




俺はその涙を人差し指で拭ってやって、頬に軽く触れる。


すると、その手を寺島は握り締めて





「ごめんね‥・恭」






再度謝る。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ