テキストサイズ

運命の誘惑

第21章 歪愛 *汐生side*

高い木々が生い茂る中、耳を澄ましながら寺島・奈菜の姿を探す。


奥に進むにつれて空気は冷たくなり賑やかにガヤガヤ騒いでた同級生の声も風に舞う枝や葉の音、鳥の鳴き声に掻き消され


‥‥少しだけ、不気味。




その中、聴力と勘だけを頼りに奥へ奥へと足を進める。




「寺島ぁ!!」



「返事しろよっ!!」




何度となく叫んでも寺島の声は戻って来ない。




‥・チッ!




まだまだ奥なのか?!







―――と思った時、








「あんたが恭先輩を殺した!!」









奥から奈菜の怒鳴り声が聞こえた。







ストーリーメニュー

TOPTOPへ