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運命の誘惑

第31章 闇×真実=・・   *汐生side* ②

瞬間。



俺の中で何かが崩れ落ちる音がして。

胸がギュッと握り締められる感覚と共にどす黒い何かが心の中を埋め尽くし何とも言えない感情が、
今まで感じた事もないような感情が心に食い込む。



『汐生?もしもし?』


恭は‥もしも俺が彼女の事を好きだと知ったらどう思うだろうか。



『汐生ぉぉ?もしもーし』


もし俺が彼女をちょうだいと言ったらどう思うだろうか‥‥



「なぁ、恭」


『おぉ!汐生!突然いなくなるから電話切れたのかと思ったぞ!』



‥・ダメだ。
これは恭には言っちゃダメだ!
恭の幸せを邪魔するような事はしちゃいけない。



分かってる。



――――――だけど‥っ




「俺がもし“彼女頂戴”って言ったらどうする?」





止まらなかったんだ‥。





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