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運命の誘惑

第31章 闇×真実=・・   *汐生side* ②

その後、いつものように他愛も無い会話を数分だけして電話を切って。


光の持って来た酒の力のせいかさっきより頭がガンガン痛くてベッドに横たわる。


見慣れた天井を眺めながら恭の言葉を思い出す。


さっきまでドス黒い何かが渦巻いてた心も、すっかり晴れて妙な爽快感が広がる。



今までふと考えた事がある。


もし‥俺が恭より先に彼女と出逢ってたらどうなってただろう。


もし俺が彼女と同じ学校だったら?

もし俺が彼女と同陸上部だったら。



もし‥・恭が居なかったら‥




なんて。



ありもしない“もしも”をどれだけ並べたって今の現状が俺の“運命”。


俺がすべき事は変わらず1つ。

彼女を忘れる。




これもきっと俺の“運命”なんだ―――‥



















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