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運命の誘惑

第32章 闇×真実=・・   *汐生side* ③

病院へ着いた俺は恭の居る場所へと走った。

院内は走ったらいけないのは重々知ってる。

だけど走らずには居られなかった。

身内が危ないのに・・恭が危ないのに呑気に歩いてなんかいられなかった。



恭の居る病室の前では母さんが親戚のおばさんに支えられて泣きじゃくってて


「あんたがしっかりしなくてどうすんの!!」


と喝を入れられてる光景が真っ先に目に飛び込んだ。


母さんは俺を見るなり俺に縋り付いて




「恭に会ってやって‥・」




震える手で俺の服を握り締めながら涙でぐっちゃぐちゃの顔で俺の目を見て言った。



‥俺や恭より恐らく20センチは背が低くて小さな母さんがこの日は更に小さくて‥

母さんが消えちゃうんじゃないか‥て思った。






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