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運命の誘惑

第6章 突然のカミングアウト

天国のドアを空けると相変わらず身体を優しく撫でるように吹く風に癒されつつ

いつものようにイヤホンを取り出して恭の声を鼓膜に響かせる。




【愛結ぅ~‥‥】



恭の留守電は必ず私の名前を呼んでから始まる。


同じ【愛結】て呼ぶだけでも声色は何通りもあって。



楽しそうに呼ぶ【愛結】

退屈そうに呼ぶ【愛結】

凄く優し呼ぶ【愛結】



色々な【愛結】を聴くたびに私の顔も綻んだりしかめっ面になったり。

眉が下がったり上がったりの百面相。




きっと。




恭もこんな顔で留守電入れてたんだろうなぁーと想像すると心が温かく幸福感に包まれる。



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