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月琴~つきのこと~

第3章 第二話 【月琴~つきのこと~】 一

 その森閑とした閨の中で、妙乃は新妻らしく両手をついて、良人となったばかりの男に挨拶した。
―ふつつか者ではございますが、幾久しくよろしうお願い致します。
 良人となった嘉平太は穏やかな声で応えた。
―こちらこそ、不慣れなことも多く、妙乃さんには色々と教えて貰わねばならない。よろしくお願いします。

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