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猫科男子との生活 。

第13章 自分の事を捨て猫と自覚している猫は捨てられたくない一心です





夢斗「本当に…よかったの…?」



漣「んー、なにが?」



夢斗「−−…同居の…こと」



漣「だって、放っとけない」


キャリーバッグを引きながらいつになく弱気に尋ねてくる夢斗


予定通り、午後の荷物運びだ




漣「…夢斗がずっと講義中寝てたのって…ここじゃ寝れなかったからでしょ…?

車の音とか…安いところじゃ、防音なってないだろうから煩いだろうし…」



夢斗「…ぁ… 」



こんな不規則な生活であの辛そうな表情−−…


誰でも放っとけないと思うよ 。





漣「絶対、ご飯もコンビニ食だったでしょ!!?
ガリッガリだもん…」




夢斗の手を取り、私の手のひらで1周できるほど細くなっている手を見つめる


ここまでくると折れないかが不安だ




漣「だから、住まいが見つかるまでなんて言わないで。


ゆっくりして? あ、料理教えてあげる!!
一人暮らしになっても困らないように」



どことなくまだ気にしてるようすの夢斗に明るく話しかける



そうすると、夢斗は私から目を離して




夢斗「…きっと困らせるよ…? 」




漣「大丈夫、うちには手が掛かる猫がいるから

−−…わっ、夢斗?」



夢斗「…やだ…もう少し…このままでいて…?」




痛いくらいに抱きついてくる夢斗

夢斗をよしよしする私


そんなときに。




??「…漣?」



後ろから女の人の声がする




漣「…!!? 宇宙…さん?!」




今日、遊ぼうと約束していた
が、まだ待ち合わせの時間でも場所でもないようだ




それでも気にせずむしろ強く強く抱きついてくる夢斗



宇宙「…え、ぇ? 漣の彼氏って…琉月じゃないの…?」





漣「いや、そうなんですけど!!そうなんだけど…」





夢斗は見せつけたいのかなんなのかきゅ…と絡める腕を強くしてくる



そのまま後ろに行きジトっと目の前の人を警戒態勢で睨む




漣「これには諸都合が…」



宇宙「あら、漣の諸都合とは気になるわね」


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