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【夢小説】イケメン王宮 ユーリ

第2章 葛藤

月花を食堂へと送り届けたユーリは
一足先に書庫へと来ていた。

勉強に使えそうな本を手に数冊取ると、
パラパラとめくってみる。


(どの本が分かりやすいかな)


本の文章を目で追っていると……


グラリ


とたんに視界が揺らいだ。


(え……)


本を閉じ目線を上げるも
部屋の風景が揺らいでいる。


「っ……」


頭に鈍い痛みを覚えて、
ユーリは本棚に身体を持たれかけた。

顔を俯かせ、右手で顔を覆う。


(なんだろ……これ…)


眉間にシワをよせ、
呼吸を整えていると……


『ユーリ?』


朝食を取り終え書庫へ訪れた月花が
ユーリの名を呼んだ。

声のする方へ視線を向けると
ユーリの異変に気付いた月花が
側へ駆け寄ってきた。


『どうしたの?ユーリ!』


声を荒げてユーリの袖を掴む月花の姿が霞んで見え、ユーリは思わず月花の身体を抱き寄せる。


『っ…ユー…』


抱き寄せた月花のうなじを引き寄せ、
身体を強く抱きしめた。


(月花…様……)


全身で感じる月花のぬくもりに安心するも
ユーリの意識が徐々に遠退いていく。


『ユーリ…?…っユーリ!』


意識を失ったユーリは
月花に覆い被さるように
その場へと崩れ落ちた……

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