【夢小説】イケメン王宮 ユーリ
第1章 嫉妬
メイドさん達が部屋から出ていくと
部屋には私とユーリの二人きりになった。
「月花様、鏡の前に座って」
ユーリに言われるまま、
鏡の前に腰かける。
「ちゃんと可愛くしてあげるからね」
ユーリのしなやかな指が
私の髪をすくい
ブラシで優しくほぐしていく。
そのまま髪を巻き上げ、
頭の上で一つに束ねると、
仕上げにピンクの宝石が付いた
髪止めを丁寧につけてくれた。
「はい、出来上がり」
『ありがとう、ユーリ』
ユーリの仕上げた髪のアレンジは
驚くほど私によく似合っていた。
『ユーリって、
こんなことも出来るんだね』
鏡越しにユーリに話しかける。
「え?俺?」
『うん、
とっても素敵な髪型だなと思って』
するとユーリが
くすっと笑みを浮かべて言う。
「月花様の為なら、なんだってやるよ。
月花様がどんな髪型が似合うのかも
ちゃんとわかってるし。
…いつも傍で見てるからね」
『……っ』
ユーリの言葉に
私は少し赤くなってしまった。
そんな私の反応を
鏡越しに見ていたユーリは
私の両腕をそっとつつむと
ゆっくりと私の右肩に
顔を埋めてきた。
『……っ!ユーリ…?』
「そんなに可愛い顔しちゃだめだよ、
月花様。食べちゃいたくなるから」
『え…っ!』
ユーリの言葉に
私は身体中があつくなるのを感じた。
「今日…心配だな。
こんなに可愛い月花様を
誰にもみせたくないな…」
そう言ってユーリは
私の首筋に触れるか触れないかの
キスを落とした。
『……っ///』
首筋に僅かに感じたユーリの唇に
私の身体がぴくっと震える。
『ユ…ユーリ…?』
ユーリの行動に戸惑っていると
鏡越しに目が合ったユーリが
私を見てにこっと笑った。
「冗談だよ、月花様。
今日は次期国王候補を決める
大事な日だもんね。
俺はパーティには行けないけど、
楽しんできてよね」
『……うん』
(冗談…か……)
ユーリの言葉に私の心の奥が
僅かにチクリと傷んだ気がした。