【夢小説】イケメン王宮 ユーリ
第2章 葛藤
二人は執務室のソファに
テーブルを挟んで腰を下ろした。
テーブルにはユーリが準備したお茶が
2つ置かれている。
「「……」」
先に沈黙を破ったのはジルだった。
「ユーリ、貴方は次期国王候補は
誰が相応しいとお考えですか?」
「え…?」
しばらく間をあけて、
ユーリが口を開いた。
「……わかりません。
それを決めるのはプリンセスですよね」
「では、プリンセスは誰を選ぶと思いますか?」
「……」
ジルの問いにユーリが眉をひそめ、
黙ったまま目を附せた。
(……なんなんだ……さっきから)
そんなユーリの姿に、
ジルは軽くため息をついた。
「私のみる限りプリンセスの心は
もう決まっているように感じます……。
ご本人が自覚しているかどうかは別ですが」
「……」
「貴方自身はどう思っているのですか?」
「……え?」
ユーリは伏せていた目線を戻した。
「ユーリ、実は内々に貴方の事を
調べさせて貰いました」
ジルは手元の資料に目を落とし、
話を続ける。
「ユーリ=ノルベルト、隣国シュタインの騎士にして、ゼノ国王の側近の一人」
ジルの言葉にユーリの目が大きく見開いた。