【夢小説】イケメン王宮 ユーリ
第3章 告白
「……」
僅かな沈黙が流れる。
私の胸の鼓動は
段々と早く、大きく響いていく。
「俺にとってはゼノ様が全てだから…
恩もあるし…俺にとって
本当に大切な人なんだ」
私の手を握るユーリの手に力が入る。
(やっぱり…ユーリは……)
二人の間を冷たい夜風が吹き抜け
私の髪が風に舞う。
『シュタインに…帰ってしまうの…?』
私の声は微かに震えていた。
ユーリの手を握りしめ
横顔をじっと見つめる。
「……」
するとユーリの口元が緩み
ふっと笑った。
「……帰ろうと思っていたんだけどね」
ユーリの目線が私へとうつる。
「帰れなくなっちゃった」
そう言って
風に舞う私の髪を手で払うと
私の唇にそっとキスをした。