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【夢小説】イケメン王宮 ユーリ

第1章 嫉妬

『……っ』

驚いて後ろに身体を引くと
アルコールのせいか足がおぼつかず、
バランスを崩してしまった。


『あ……っ!』


するとブラム様が私の腰に手を回し
身体を自分へ引き寄せた。


『あっ…あの…』


ブラム様との距離の近さに戸惑う。

離れようとブラム様の胸元を
両手で押すと逆に
その手を引き寄せられてしまった。


「プリンセス、
貴女と初めて会った時から、
私は貴女に惹かれていました。
今日またお会いできて、
こうして貴女に触れられる事を
とても嬉しく思います」


『ブラム様…』


(ブラム様がそんな風に
想っていて下さったなんて…)


ブラム様の突然の告白に
私は目を見開いた。


「そのシルクのドレスも、
あなたによく似合っています。
とても綺麗だ。
…ですが……」


そう言うとブラム様が
私の首筋にそっと手を添えた。


「先程からずっと首筋に手を当てて…。
一体何を気にされているのですか?」


ブラム様の言葉に私ははっとする。

その箇所はパーティに来る前に
ユーリに口付けされたところだった。


(私…いつの間にか
ユーリのことを考えてた…?)


途端にその時の記憶がよみがえる。

口付けされた箇所が熱を帯びて、
身体中が熱くなるのを感じた。


「…正直な方ですね。
あなたにはすでに心に決めた方が
居られるのですか」


ブラム様が顔を傾け、
私の首筋に唇が触れるか
触れないかの距離で囁く。


「私ではあなたの心を
捉えることは出来ないのですか?」


吐息が触れた瞬間、
ピリっと甘い痛みが首筋に走った。


(え…っ)


首筋にキスされていると
気付くのに
そう時間は掛からなかった。

長く吸い付くようなキスに
私は慌てて声をあげる。


『や…っ…!離して下さい…っ』


(…ユーリ…っ!)


ブラム様の手を振りほどき、
身体を離すと
急に視界がぐらりと揺らいだ。

アルコールが想像以上に
身体に回っており、
私はバルコニーの床へ
倒れてしまった。


「プリンセス……!」


「っ!おい!」



意識が遠退いていく中、
近くでブラム様の、
遠くでアランの声が
聞こえた様な気がした…


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